派遣社員の育児休暇について
派遣社員も、育児休暇を含む産前産後の休暇を取ることができます。労働基準法においては、どんな人に対しても、「産前6週間、産後8週間の女性を働かせてはいけない」とあります(但し産後6週間以降の女性でも、医師の判断の下、医師の認めた業務において復帰することが可能)。お産の直前直後の女性の体は、大変デリケートな状態なので、法律として女性に安静を確保します。また、派遣社員は社会保険に加入していますので、出産手当金が保険より支給されます。
産後の休みの一つに、「育児休暇」と呼ばれるものがあります。前述の通り、派遣社員にも産後休暇は保証されていますが、乳児の世話、つまり育児は、産後8週間程度で落ち着くものではありません。このため、育児休暇という制度の利用が考えられます。
育児休暇は、育児介護休業法によって定められた『1歳に満たない子の育児』を行う際に取得できる休暇です。基本的に『日々雇用される者』『期間を定めて雇用される者』は、育児休暇取得の適用外とされていますが、次の要件を満たせば申請する事ができます:
● 1年以上その派遣会社に雇用されていること(つまり1年以上派遣先で働いていること)
● 子供が1歳を超えてもまだ雇用される見込みであること
この場合では、育児休暇を申請することができます。なおこの制度は、女性だけでなく男性も申請・取得可能です。派遣社員はそれぞれ派遣労働期間が異なるため、条件を満たすかどうかは人によって変わってきます。
また、仮に育児休暇取得に該当しなかったとしても、育児介護休業法によって、勤務時間調整(育児を理由に、一定期間は早く仕事を終了するなど)を求めることが可能です。さらに、未就学児を持つ親であれば、子供の傷病看護のために、わずかですが(5日程度)休暇を求めることができます。なお、派遣労働者が雇用関係を結んでいるのは派遣会社であるので、育児に関わる休暇・休業の申請は、派遣会社に対して行います。
育児休暇を取得した派遣社員の交代要員が必要になる場合には、派遣会社はすみやかに代わりの労働者を派遣先企業に派遣します。また、派遣先企業も、派遣会社にこれを求めることができます。
このように、該当条件が必要であるものの、派遣社員も育児休暇を取得する権利を持っています。派遣労働者からこれらの申請があれば、派遣会社は、法律に基づいて正当な対応を行う必要があります。これら産前産後の休暇等の取得について、妊娠・出産・育児を理由に、解雇・強制的な自宅待機などの不当な扱いをすることは厳しく禁じられています。
但し、育児休業又は子供の傷病看護のための休暇に対して給与が支払われるかどうかは、各派遣会社の裁量に任されていますので、休んだ期間の給与が支払われなくても違法ではありません。この場合、雇用保険に入っている派遣労働者であれば、「育児休業給付金」として、月給の3割が保険から給付されます。