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派遣労働法の規制と緩和

派遣労働法は、規制と緩和を繰り返しながら市場を活性化し、派遣労働者・派遣会社・派遣先企業が均衡の取れた関係を保っていけるよう考慮された法律です。そんな派遣労働法を背景として、派遣というシステムは、『一時的に欠員が出るなどして、代わりが必要になった時の補助的即戦力を補うもの』という位置づけでスタートしました。

 この際、すでに社員として企業に雇用されている人たちの地位を脅かさないように考慮されたのが、『元々その人でなければ出来ない仕事』、つまり専門性の高い業種に限って派遣して良い、という条件でした。逆に言うと、大多数を占める『一般職』は、派遣の対象外でした。つまり派遣市場は、規制された不自由な状態からのスタートだったのです。

 労働に関して、時代は急速にその有り様を変えていきました。非正社員としての就業形態が増えるに従い、時代の要望に応えるように、派遣法は次々と規制を緩和していったのです。当初は10数種類しかなかった派遣可能職種も、見直しを経て、平成11年にはほぼ全ての職種について労働者を派遣することが可能になりました(一部職種を除く)。
 翌年には紹介予定派遣制度が解禁となり、次いで物の製造業務も解禁の運びとなりました。規制については、特に派遣先企業に対するものが目立ち、「長期間就業している派遣労働者の雇用努力」といったものがそれにあたります。

 もともと規制に縛られてのスタートであった派遣業界ですが、時代のニーズに応える形とは言え、法改正により順調に業績を伸ばしてきたのは事実です。もはや企業・労働者双方にとって、派遣というスタイルは、労働の一つの形として定着したと言えます。

 懸念される問題点としては、経費削減を目的として派遣を利用する企業が増えれば、正規雇用の機会が激減するのではないか、という点です。現に、経費削減のための派遣労働導入は、企業にとって一つの選択肢となってしまっていると言えます。同時に、派遣労働者の賃金水準は問題化しており、年間で総収入が300万円前後と、正社員の約6割程度であることが、厚生労働省が実施したアンケートで浮き彫りになっています。

 それなりの働きを求められながら、収入面において正社員と格差がある状態であると言えます。これは企業側の派遣に対する意識・扱い方に問題があるケースも多いのですが、規制と緩和を繰り返してきた本法律として、この「ひずみ」を解消するための検討が求められます。

派遣労働法

派遣労働法とは?派遣労働法の改正といきさつ、規制緩和などについて解説しています。特に派遣社員として働いている方は自分で労働法について学び、ご自身の権利と義務を客観的に把握することが重要です。

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