派遣労働法の改正といきさつ
派遣労働法は度々改正を繰り返しながら、時代のニーズに合わせて今日まで進化してきています。それでも派遣労働法が昭和61年に施行された当初は、すでに企業に属している従業員からは、自分たちの雇用の立場を不安定にする、という理由で派遣労働法に対して反対の声があがっていました。そのため当初は専門的な分野においてのみ、派遣を可能とする条件がありました。
しかしその後、多様な働き方が顕著になっていくに従い、派遣できる業種も徐々に広範囲にわたっていきました。また、実際に働く派遣労働者を守るためにも、法の内容には更に、細部に渡る規制と緩和がバランスよく盛り込まれる流れとなりました。つまり、労働力の需要と供給がうまくマッチすることを目的として、繰り返し見直しが行われたのです。
平成11年施行の改正派遣法では、派遣できる業種・業務が大幅に拡大し、平成12年の改正法では、紹介予定派遣が認められるようになりました。平成15年には、さらに変化があり、以下の点で大きく変わりました:
派遣労働法の変更点
- 派遣期間の延長:業種により最長3年もしくは無制限
- 紹介予定派遣煮限り、医療関係分野にも派遣が可能
- 紹介予定派遣における見直し(条件の明示・事前面接などの解禁・派遣期間の上限設定など)
- 派遣会社・派遣企業の「派遣担当者」業務の追加
- 派遣先企業において、派遣労働者への社会保険の加入促進
- 派遣先企業における、派遣労働者の労働環境改善
また、ある新聞記事では、厚生労働省が派遣法の改正について新たに検討を始めた、とのことです。検討内容の主なものとして、〔事前面接全面解禁〕〔派遣期間の延長又は撤廃〕が盛り込まれているようです。
特に派遣労働者の間で懸念されているのは〔事前面接解禁〕のようです。これについては、もともと事前の打ち合わせいうことで、派遣会社の担当者と派遣労働者が、派遣企業を訪れることが頻繁に行われおり、これが事実上の面接に該当するのではないか、との声もありましたので、今回の検討では、この事前面接が法律上認められる、という見方が強まっています。
もともと派遣というシステムでは、誰を派遣するかは派遣会社が決定します。派遣先企業は、自分たちの望むスキルを備えた人材を派遣会社が用意してくれた、という前提でこれを受け入れます。しかし事前面接という行為は、場合によっては、派遣企業によって選ばれた派遣労働者を、更に企業が審査するという二重の仕組みとなってしまいます。派遣労働者側においては、事前面接の解禁によって、性別・年齢・容姿・経験などで判断されるのではないか、との懸念も広がっています。
なお、紹介予定派遣については、事前面接が元より認められております。これは、派遣先企業における採用が前提となっているためです。